5.17 CIGAR NIGHT 2008
WHISKY VOICE 31
◆バーテンダーが通うバー 連載27
夏休み
開店当初は「島の生活」がすぐには呑み込めず、
数々の困難にもぶつかった。
まず、これまで当たり前のようにあった「物」が、
島には無いということに気がついた。
お酒屋さんでは慢性的に洋酒が欠品していた。
新製品の情報もほとんど届いていなかった。
氷り屋さんも無く、一貫目の氷は沖縄本島から
取り寄せなければならなかった。
くわえて美しい自然には脅威があった。
風速90メートルを超える台風のときには、隣家が吹き寄せられて
自宅の壁をぶち抜いた。
大らかな島の人たちは時々、理解に苦しむ言葉をしゃべった。
家の工事を依頼するたび、
「今行くさ~」
と言われたが、いつまでたっても来なかった。
約束を破られ怒っていると、
「どうして怒るか?」
と、不思議がられた。
[ BAR THINK MIYAKOJIMA ]
WHISKY VOICE・・・5 に続きます。
お楽しみに ♪