先日の木曜日、愛用のジュピターと七輪を車に積み込み
青空が天窓のように見える山奥の谷間へうかがった。
炭を熾している間、中瓶とジュピターを小川で冷やし
食事の準備に取り掛かる。
真冬の山間の谷間で肉を焼き
酒をいただきながらのんびりとした時間を味わう。
太陽に照らされたジュピターはまるで夜空を煌めく星々のように輝き
渇いた喉を十分に癒してくれた。
地鶏から牛にかわる頃には赤ワインをマリアージュ。
寒空の下では太陽を燦々と浴びた国の安モノが気軽でよい。
食事が終われば珈琲を、もちろんその場で豆を挽く。
平地がなければ湯を沸かすのは愛車のボンネットで十分。
僕の車は宝物のような飾り物ではなく、しっかりと使える道具のひとつなのだ。
香り豊かな珈琲がはいれば、香り豊かな葉巻が欲しくなる。
ここでチョイスしたのはマイ・ヒュミドールにて熟成させたパルタガス・ショーツ。
豊かな紫煙を山間の香りとともにいただいた。
この日の前日に友人から京都の茶菓子をいただいたので野点で一服。
茶とともにいただく葉巻もなかなか良いものである。
山里では寒々しい春風が吹き荒れる中
僕らは山間にある隠れ家ともいうべき素晴らしい場所で
家族との大切な時間を心の底から堪能する。
山々を眺めながら未来の自分に想いを馳せ
吸い込まれるような天窓に見惚れながら幸せを噛締める。
己の感性を豊かなものとするべく、僕らは再びここへやってくる。
KAKEGAWA CIGAR STYLE