夏の夜
友人と葉巻を燻らせながら、ゴルフの練習をした先日
その後に向かったのは、視界2〜30m程のガスに覆われた近所の山。
そこで再び汗をかいた僕は、一度自宅に戻りシャワーを浴びる。
汗を流しさっぱりした後に着替えたのは、最近お気に入りの着物。
この時期だからといって、僕は浴衣は着ない。
生絹の角帯を貝の口に結び、絽の着物に袖を通す。
純白の足袋には下駄ではなく、草履を履くのだ。
着物を着て向かったのは、このあたりでも人気のある古寺。
この日ここをお参りをすると、46,000日分のご利益があるのだという。
一つ一つの灯りは全て蝋燭。
電気で灯しているわけではない。
歳のせいか、そんなこだわりにさえ感動を覚える。
ぼんやりと灯りを眺め、人々の流れを疲れきった身体で感じる。
湿度は異常に高いが不快ではない。
大嫌いな梅雨を楽しめるのも、あと少しだけなのだ。
僕は46,000日分のご利益にはあまり興味がない。
どちらかといえば、この日に燻らせたハバナ・シガー
キンテロ・ロンドレス・エクストラに興味があった。
今夜もう1本、のんびりと燻らせるかを。
しかしながら、もしも僕にもそのご利益があるならば
あの日ここに来ていた参拝客に、僕の分を少しづつ分けて頂きたい。
僕はここに夏を感じ、ただ遊びにきただけだから。
いくつもの灯籠に灯がともった夜、僕は夏の夜の始まりを感じた。
ジャズ・ピアノを聴きながらの、夜の茶会 ??
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