君への処方箋

RINGOKAN

2009年01月18日 16:26











この記事は、藤沢で悔しがっている男、彼だけに捧げる・・・





昨夜時計の針の全てが、真上に向かって重なる頃

ささやかなパーティーは始まった。







深夜の口火を切ったのは、チェ・ゲバラと呼ばれる男。

そう、先日少しだけ君と逢ったそうだね。

彼がまず最初にカットしたのは、ラモン・アロネス・スモールクラブ・コロナス。

僕が初めて現物を見たビトラである。

チェ・ゲバラはマイルドな口当たりの、挽きたて珈琲を合わせる。




[ 参考写真 ]



次に葉巻をカットしたのは、まだ見ぬ君に逢いたがっている男。

白衣の運び屋。

咥えてきたパルタガス・ショーツを燻らし終え、次に彼が選んだ1本は

彼の身体に刻み込まれた、二度と忘れられない思い出の1本。

ロメオ・イ・フリエタのリミターダ、エスクドス。



先日の会話の中ででた、サッカー界の「神」とも呼べる彼が

嗜んでいたであろうハバナ。

サッカー好きな君を、意識してのチョイスでもある。

寒空の中をやってきた彼は、まず温めたウイルキンソンのジンジャーエールを。







先日、浦安のシガー・バーに立ち寄ったという君の師匠は

僕に気を使ってくれ、僕が定時に仕事が終われるよう、昨夜燻らしたのは1本だけ。

紫煙を1本分だけでお帰りになったのは、初めての夜。







つい先日、チェ・ゲバラの映画を観たという彼が

チェ・ゲバラのように紫煙を燻らした。

彼はピュリニー・モンラッシェ村でつくられた、17年物のフィーヌを合わせる。

閉店後、独りでテイスティングしてみたが、悪くない。

豊かな香りが魅惑的な、フランス産の稀な地酒である。





僕は先日頂いたマニラ・シガー、ドンファン・ウルキホを。

こちらは初めて燻らす紫煙。

君が当店で初めて燻らしたのは、太くて長いラモン・アロネスのジガンデス。

まだ22歳という若さの君なのに、違和感なく似合っていた。







皆と紫煙を楽しみながら、それぞれのグラスに同じ液体を注ぐ。

きらきら輝く琥珀色をし、少し粘着性をもった液体を。

心の中で呟く。

Salud !! 。







今夜はドイツ・ラインヘッセン地区のワイン、ウーデンハイマー・ゾンネンベルク

クラスはベーレンアウスレーゼ。

甘みと酸味のバランスに優れ、品も良く、僕のマニラにはZum Wohl 。







最初にラモンを燻らした彼は、続いて大のお気に入りのトリニダッド。

今夜はレジエスを選んだ。



彼に逢う度に、彼へ与えたキャンパスの表情が変わってゆく。







皆が、このキャンパスを真似るかのように。

いつ見ても美しい、彼らしいキャンパスの使い方。

学生時代のチェ・ゲバラは灰皿の中に、どんな画を描いていたのだろう。







僕のマニラも、そろそろフィニッシュ。

ハバナと違う、白く柔らかい灰の塊が、いくつか転がる。







君との出逢いを楽しみにしていた男達。

今回も君と語ることはお預け。

なかなかココで燻らすことのできない、伝説となりそうな君。

君の話題は、ここでも尽きないのに・・・







彼等の気持ちが君に伝わり、少しでも君の身体が楽になれたら。

早く体調を復活させてください。









僕も心から、君との再会を楽しみにしています。









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