GUAPO !!

RINGOKAN

2008年12月08日 17:18








白と黒色のボール遊びが大好きだった少年は、独りでスペインに渡った。

それは彼がまだ二十歳の頃の話し・・・











シガー・カッターをカウンターに置く彼は、必ず次にマッチ箱を手に取る。

ライターではない。

これこそ彼のこだわり。



ポル・ララニャガのペティ・コロナを非常に綺麗な灰にした後

2本目の紫煙を満喫する。

その左手に優しく握られたのは、ロブスト。

リングゲージが50、ウッディーなパルタガスの " セリー D " No.4。

やや深入りに入れた珈琲とのマリアージュ。

彼は遠い地スペインで葉巻と出逢った。





そして紫煙を全身で感じながら、彼がゆっくりと自分の過去を語る。











この日彼が持参した葉巻は、いくつかのハバナ産。

TPO に合わせそのときのベスト・チョイスを楽しむ。

なかなか素人にはできない技でもある。



モンテクリスト No.2
パルタガス・セリーD
コイーバ・ヘニオス
コイーバ・シグロ IV
パルタガス・ショーツ
トリニダッド・レイエス



愛用のカッターは坪田パールのトリプルブレード・サダジウム。

男が持つ " こだわり " にはキリがないものだと、痛感させられる。












この日の深夜には彼と僕、そして閑古鳥しかいない静かな時間が続く。

これは偶然なのではない、きっと必然的な出逢いなのだろう。

僕の右手には先ほど彼から頂いた、トリニダッド・レイエスから

紫煙が立ち上っている。



彼のセリーD から紫煙が立ち上らなくなるまで

カウンターの中で僕は、彼のお話に聞き入ってしまった。











午前3時。

独りになった僕は、一度消えたトリニダッド・レイエスに再び火を点す。

凄い男との出逢い。

心地よい刺激の塊。

すぐさま眠りにつけない興奮・・・



少し小さくカットしすぎた吸い口の為か、今夜の葉巻はドローがきつい。

でも僕はもう一度シガー・カッターに手を伸ばすことはしなかった。

全て経験。

全てが出逢い。











まさに " GUAPO !! " な彼と語った数時間。

全ての出逢いに感謝である。





スペイン語で " 美しい " " カッコいい " などの意味をもつ GUAPO。

後輩を尊敬できる素直な心。

もちろん純粋無垢な男などと言わない。

そんなに甘い世の中ではないから。



数時間彼と語り僕は想う。

また彼から多くのものをこっそり盗み、自分のものにしてみたい・・・











niceguy

ご来店ありがとうございました。















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