「446」

RINGOKAN

2010年04月27日 10:00









彼と出逢ったのは今年の初め。

大阪からやってきた彼は、笑っていても鋭さが目の奥に秘めた男。

まだまだ若いのに、なかなか芯のあるイカした男だった。











「お久しぶりです。」

そう言いながらドアを開けたのは、久しぶりに逢う彼。

彼は約束通り、ここのドアを再び開けてくれた。











バンクーバーでも暮らしていた彼が、この夜燻らせたのは

ロメオ・イ・フリエタ・セドロス・デラックスNo.3。

彼はカナダで出逢った " ボス " とともに、紫煙を燻らせた。











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彼らが帰り静まり返った店内で、僕はどうしても

あるウイスキーを飲りたくなった。

「リンクウッド」

これも思い出深いウイスキーのひとつである。











彼と出逢ったあの夜、仕事を終えた僕がいただいたのが

このウイスキーだった。

僕はそんなつまらないコトを想い出しながら

ヒュミドールを開け、パネテラをカットし

数十分間だけ紫煙を " つまみ " に、ウイスキーをそのまま煽る。











眠ってしまえばよい時間なのに、なかなか眠れずに

一人の時間を独りで堪能する。

そこにあるのは、友人となる男との出逢いである縁と

フットから立ち昇る煙だけ。











「きっと、この出逢いも必然なのだろうな」

そんなコトが頭の中をよぎるなか、僕はやっと深い眠りにつく。





446、また逢おうな。













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