それは、人生の中のたった1時間。

RINGOKAN

2010年04月16日 18:00










Cigar Night Vol.5 2010.5.1(土)








休日を名古屋で過ごした夜、疲れた身体を休ませるため

僕はホテルの15階に向かった。











ここから眺める景色はさほど高くはないが

先ほどまで観光していた名城が、ぼんやりとライトアップされていた。

大きなガラス張りのこの空間には、アベックだけが周りに散らばっている。











このフロアには、このホテルのメイン・バーがある。

そのバーの名は「エストマーレ」。

シックな雰囲気の中、僕はゆったりした革張りの大きなソファに腰掛け

心地よく薄暗い店内を見渡す。

センスの良い調度品、バーマンの動きもきびきびしていて

微かに聴こえてくるBGMも、心なしか気持ちが良い。











僕はここでLVと刻印されたシガー・ケースから

'08のモンテクリストNo.4を取り出した。

愛用のフォルジ・デュ・ライヨールでヘッド・キャップをカット。

この時間は、まだ他の紫煙の香りはしていないようだ。











歩き疲れた足を投げ出せば、上半身はふかふかのクッションに

ゆだねるだけだ。

このモンテクリストのドローは最高、これはまさに僕の好み。

テイストにも安心感があり、バランスも非常に良い。

1時間ほど時間調整するには、もってこいのビトラである。











今年最後の春をこの街で感じ、古の時代まで意識が遡る。

数百年ものあいだ、ここで多くの人々が暮らした。

僕は進化しすぎたこの街で、西インド諸島の宝物を

煙にすることを独り愉しむ。

壁に掛っているのは、大海原を進む帆船の姿。

僕の気持ちは赤道を超え、数十分間だけキューバまでの旅をする。











一日の疲れが、不思議な充実感となるこの時間

僕とってそれは至福の時間となる。

至福の時間など、マレーバを燻らす数十分もあれば十分。

僕はそれだけで満足できる。











名古屋で過ごした先日の休日、僕は心底リフレッシュした。

よい経験となりました、ありがとうございました。











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