Cigar Bar " RINGOKAN "

2011年

彼との出逢いに衝撃を受け、そして、それが新たな僕の宝となった。











自由に夜空を飛び交った凛とした輝きの双子座流星群

それに心奪われた翌日、僕は隣町まで大きなオリオン座を眺めにでかけた。





友人から　星空を眺めながら葉巻でもどう?　と誘われ

僕に大自然の素晴らしさを教えてくれた友とうかがったのだ。











メイン・リビングに鎮座するイギリスの遍歴を眺めてきたバー・カウンターには

彼好みの銘酒が彼の性格を表すかのよう整然と並び

冷えた僕らの身体を心底温めるのが役目と僕らを迎えてくれた。











丁寧にくべられた薪は身体の芯から気持ちを和ませてくれ

不必要な " 気遣い " は心地よく煙となり消えた。











場所を変えシガー・ハウスへ。

この夜燻らせたのは、僕が心から敬えることのできる

若き友人からいただいた特別なグロリア・クバーナ。

特別な銘酒と特別な空間で、なんともたまらない時間を過ごした。











友人たちとの会話に満たされ、興奮した気持ちをなだめるため

寒空のもと庭にあるベンチに寝そべってみた。





余分な物音の無い独特の世界。

独特の性格の持ち主たちが同じ星空を眺めながら

無音のなか紫煙を燻らす。











なぜ彼らと出逢ったのかはわからない。

でも、いま彼らと同じ瞬間を過ごせる時間は

僕にとってとても気持ちの良い特別なタカラモノ。






彼らとの出逢いは

きっと僕の知らぬ大昔から出逢うとプログラミングされていたのだろう。

それは必ず必要なのだと。

そして、それは彼らにも必要なのだと。





美しい星空を彼らと一緒に眺めていると

そうあって欲しいと悴む指先を愛おしく想いながら感じた。