トラディショナル

RINGOKAN

2008年12月09日 17:00









伝統だから。

今まで皆そうやってきたから。



そんな理由が大嫌いだった10代。

歳を経るにつれ、皆がそれを言う理由がわかるようになり

そして、それらが素敵に想えるようになった30代。

「伝統」とは「基本」なのかもしれない。





30歳を迎え出逢った茶道やピアノがそうだった。

袱紗さばきを覚え、盆手前を済ませた僕は先生の計らいで

マニュアル通りのお稽古ではなく、毎回社中の大先輩方と同じ

難しいお手前の練習をさせていただいた。

炉点前、棚点前、風炉点前、炭手前・・・。

難しいほどにハマり、また、この頃が一番茶道を舐めていたかもしれない。



ピアノを習い始めた頃もそう。

ドレミの練習などせず、いきなり曲を弾きたいのだと先生に迫った。

少しだけ「エリーゼのために」が弾けるようになった頃

基本の大切さを痛感する。











我が国の伝統文化といえば、日本古来からある文化である。

そのひとつが酒の文化でもある。

器用に土や石、木などから道具や器を作り、田畑を耕し米や野菜を作る。

そこから造られる濁り酒は、神に近づくものとされ宗教行事で活躍する。



それまで草木や獣の毛皮などだった衣服が進化し、着物となる。

着物は我が国の伝統であり、ハレの日にはこれを選ぶ者も多くいる。

これが伝統であり文化、そしてこれが日本の美なのである。











カクテルに使われるそれぞれの素材は、それぞれの国や地域で

進化を遂げ、洗練され世界の銘酒となってゆく。

その進化を遂げたその素材等が、移民達が流れ着きこれから文化が

育まれてゆく大陸アメリカに流れ着き、文化がないが故のブレンド方法

素材の組み合わせがいくつもいくつも生まれ、カクテルが進化発展した。



日本のそれとは違う、アメリカを代表するカクテル・ビック 7。

アメリカで最も人気のあるカクテル7つの中に、「ジャックローズ」という

ブランデー・ベースのカクテルがある。

林檎を材料としたブランデーとザクロ、そしてライムを加えただけの

シンプルなカクテル。

当店でも大人気であり、当店を代表するカクテルである。





自慢のカクテルを丁寧にお客様につくり続けることにより

当店の伝統であり文化が生まれるのだと想う。





そんな言葉が大嫌いだった10代から、20数年たった今

僕はこれらの言葉を大切にしながら、自分らしく生きてゆきたい。























The URASENKE Traditional of Tea











※ 撮影・記事掲載の許可は頂いております。



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