浜松 BAR THINK

RINGOKAN

2008年11月15日 18:00







どうしてもBAR THINK (ここ)にだけは寄りたかった。



僕が初めてBAR THINK に来たのは、いつ頃だっただろう。

まだ僕がバーテンダーになる前、バーテンダーになるためには

どうしたらよいのか。

そんな迷いを、当時袋井市のずっと北の方にあった " バー赤と黒 " の

オーナー、柏原氏に尋ねた。



「まずバーテンダー協会に入会したらどうかな。 最近浜松支部が

発足し、篠原君と同世代のバーテンダーが頑張っているから。」



柏原氏のアドバイスをもとに、僕はバーテンダーになるべく

バーテンダー協会浜松支部に入会した。







初めてBAR THINK の勾配のきつい階段を上がるとき

今までにない、妙な緊張感を感じたのを覚えている。

独特の匂いに満ちた今となっては老舗のBAR。

普段着ない白いシャツとスニーカー、ジーンズ姿でそこにうかがった。

神妙な気持ちがそうさせた服装だったのだろう。

それは初めて参加する支部の集まりだった。



自分以外の皆が遠い存在に感じ

「この世界でやっていけるのだろうか・・・」

スナックやペンキ屋でしか働いていない僕は

とても大きな不安を感じる。







初代オーナーの高田氏がBAR THINK (ここ)を始めたのが1988年。

その後、現在のオーナーである鈴木宏明氏がその代を引き継ぎ

BAR THINK は今年で20年目を迎えた。

1988年当時、その時代の浜松市はどんな街だったのか。

僕にとっては夜な夜な楽しむ " ナンパ " という邪な希望に満ちた

厭らしい街だった。







先日久しぶりにBAR THINK (ここ)の階段を上がった。

あの当時感じたあの匂いは、そこには無かった。

あるのはBAR THINK (ここ)の主(あるじ)、鈴木氏の丁寧な仕事と

人懐っこい優しい笑顔だった。

















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